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2008年8月28日 (木)

楽器と奏者のインターフェイス

            楽器創造間  永井洋平  2004.8

良い楽器が持つべき条件として「人間の感情が良く移入出来て、それに応じた出力があること」があると思います。奏者の感情に良く対応した音楽が発露される楽器が良い楽器であるということです。幅広く(すなわち伝え得る感情の範囲が広く)細かく(伝え得る感情の分解能を高く)移入できるほど良いのでしょうが、一方で、人間が訓練しても及ばない程度の微細なところまで反応してしまうならそれは行き過ぎであり開発者のひとりよがりに終ってしまうことになります。

  ゆえに楽器の入力装置の性能は極めて重要なものになります。擦弦楽器(バイオリンなど)の弓は常時接触して時々刻々の入力が有効であり管楽器のマウスピースもこれに準ずる機能を有しています。
これに対し電子楽器の鍵盤は基本的にオンオフ入力に作られており、音を常時コントロールするためには適していません。しかし、これに何とか新しい機能を付加しようと努力がなされタッチ強度による応答、鍵盤を押し切ってからの圧力変動に対して応答するように設計されたものが多くなってきました。また昨年、入力しやすさの改善を狙って河合楽器からタッチ重さが調整可能な鍵盤が市場に出てきました。

  しかし総じて言えば電子楽器の入力装置は既存の擦弦楽器や管楽器の入力機能を未だ凌駕出来ていないことは明白でしょう。究極の入力装置とはどんなものなのかというテーマは人間の表現能力の限度を追及することでもあり大変興味があります。どんな入力装置と、それに応ずる後段部の改良が将来出来てくるのでしょうか、そしてどれが勝利者として普及するのでしょうか。電子楽器の入力装置はこれまでの鍵盤と操作子から成る入力装置ではまだまだ未完成の感じがします。

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