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2008年11月25日 (火)

楽器研究という世界 ・・・・(3)

    (楽器創造館HP:http://homepage3.nifty.com/mikms/より抜粋)

3.楽器メーカーにおける研究

楽器メーカー、特に大手の会社には技術系社員を多く抱えている。もちろん彼らの中にも研究活動を仕事としている人々が居る。しかし究極的には営利を目的とするメーカーにおいては会社経営に余裕がなくなるほど長期的研究よりも短期的に成果を生む製品のモデルチェンジとかコストダウンの仕事に多くの資源を投入する傾向は大きくなる。そうなると研究担当の部署がその存在価値を問われることが頻繁になり、存在そのものも危うくなってくる。企業の人々が学会活動などに参加することは大いに期待されているのだが参加には消極的になってしまう傾向が出てくることが少なくない。

また特に日本の場合は世界を圧倒する楽器メーカーが複数存在し、メーカー間の競争も激しいので必然的に学会などで研究内容を外部に公表することを控える傾向が強い。「特許は沢山出せ、しかし研究論文はそれが陳腐化するまで出すな」という風潮になりやすい。特許には必ずしも研究論文のように科学原理的説明は書かれていないため特許だけみても研究開発の内容の詳しい開示にはならない。メーカーのこのような傾向の弊害は基礎的な現象追求がおろそかになり、研究せずにいきなり商品設計の段階に入ってしまうことである。研究について試作能力とか比較サンプル品が揃っていることなど、大学などより数段恵まれた環境にあるのにそれを活かせないことになる。たしかに日本でも近年の競争激化によって研究部門は商品設計部門に比して往々にして隅に追いやられがちである。

       楽器創造館  永井 洋平

                    -- つづく --

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