音楽

2008年2月17日 (日)

 デルフィ遺跡


 デルフィ遺跡  ←動画・全画面表示はこちらをクリック
月刊「ビデオサロン」誌主催 BGM映像コンテスト応募作

周囲は、岩盤だらけの山並み。やや中腹に広がる、アポロンの神殿を中心としたデルフィ遺跡。その無機質な石積みの内部から滲み出てくるような、ドビュッシーのひっそりと静寂なピアノフレーズ。また、強く硬質な弦振動の拍では周りの岩山へのこだまにも似て、この曲を聴いた瞬間、1年程前に訪れたデルフィを直感的に思い出さされ、編集にも熱が入りました。   (撮影/2007.3)                      「BGM映像コンテスト」応募作品 BGM使用曲まじかるふぇいす社 名曲物語第4集より亜麻色の髪の乙女

                 上神谷

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2008年2月 9日 (土)

エーゲ海クルーズ

月刊 ビデオサロン 「BGM映像コンテスト」応募作品

BGM使用曲アトリエビジョン社 BGMアーティストシリーズ「橘ゆりクラシック1」より 愛の夢

月並みながら、コバルト色の海とそこにちりばめられた幾つもの島々。そんな島内で、観光地ならではの賑やかな海岸通りから、裏の路地に入ると日常生活さえも感じとれるような、しっくりとなじみきった家々のたたずまい。そして、動く船上からの流しパン・ショットも織り込んでいく時、ほどよいテンポとビート感を持つこの演奏曲には、BGM挿入編集の楽しさを充分に味わわせてもらえました。         (撮影/2007.3)

               楽器創造館  上神谷

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2007年12月10日 (月)

金管楽器の吹きやすさと鳴らしやすさの要因 ・・・(3)

 4.アンブシャーの影響

・ 管楽器と歯の健康の関係について

ジャズトランペッターの日野皓正(一九四二年生)氏は次のように言っている。

「歯の無い前衛のトランペッターというのもいるんですけどね。でもやっぱり唇の格好と歯の形がよければ、トランペットの音が鳴りやすいですね。それが悪いと上手に音がでない。金管楽器の奏者たちは、最初に歯の矯正をするそうです。交通事故に遭って、歯が折れたら、音がうまく鳴らなくなってしまったという話も聞きますね。何ミリか歯の位置がずれただけ、歯の厚みがほんの少し変わっただけでも音色は変わってしまう。僕は万が一のために自分の歯型の石膏を2セット持っています。・・・・・スキーやゴルフで遊ぶときにも、あまり歯をくいしばらないように気をつけています。寝るときは歯ぎしり防止用にマウスガードというのを作ってもらってガードしています。・・・・僕の目標のひとつは七五歳になったときに現役のバリバリで吹いていられること。そのときに大事なのは歯と体力ですから。」(静岡県歯科医師会広報誌Vol.3)

 歯と唇の形はトランペットを吹く上で重要な要件となりそうである。

・金管楽器の発音シミュレーション

トランペットやトロンボーンの人工吹鳴実験装置が開発され、唇のモデル化とその発音条件が研究されている。トランペットの人工吹鳴の定常音は実奏音と近いとしているものの、上下唇の開口隙間が逆の動向を示し、人工唇の厚さとスティフネスが変化することに依存することをシミュレーションで確かめている。人工唇では実効的にこれらを一定に保つことはできないので発音条件がクリティカルで音色も異なる。又、人工吹鳴実験のシミュレーションでは、パラメータとして、人工唇の固有振動数、吹鳴音圧、唇の厚さを変化させて計算している。それによれば、唇の固有振動数が高くなるにしたがって、高い周波数の音が発生し、唇の固有振動数、吹鳴圧力に伴って、音響管の共振周波数に対応する6つの振動モードが励起されるとしている。また、唇の厚さが増すに従って、周波数の高い振動モードが励起されなくなったり、唇の固有振動数より発振周波数が低くなったり、同じ唇の固有振動数で複数の異なる振動モードが現れるといった傾向が見られる。実際に吹奏する場合は奏者はこれらを上手く調整して所望の発音をしていることになる。マウスピースも大事な要件である。

 5.おわりに;金管楽器の吹き易さ、鳴らし易さとは

 以上、金管楽器、特にトランペットについて、吹奏系を想定して、奏者にとって吹き易い、鳴らし易い条件を考察した。これらに関する要因は次の吹奏条件区分に分類できるであろう。

   (1) 管楽器としての基本要件

   (2) 吹き易い為の要件

   (3) 大きい音でよく鳴る為の要件

   (4) 高度な奏法を満たす要件

ここで、初心者やかって心得のある高齢者にとっては(1)、(2)がそれを支援する要素となるであろう。(2)と(3)は音響管としては二律背反的な要件となる。(3)は(4)の前提条件のひとつである。T型奏者は(1)と(2)を基本に(4)を選択し、K型奏者は(3)と(4)を好んで顔を赤くして吹くのである。好みは音楽のジャンルにもよる。

            (楽器創造館 村上和男

 楽器創造館URL;http://gakkisozo.gotohp.com/

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2007年10月 4日 (木)

自動ピアノがまだ出来ないピアノ音楽の革新

                 (2005年 7月23日)            永井洋平

1980年代からピアノに近代電子技術を入れることが活発化した。最初に実現されて市場にでたのは自動演奏ピアノである。これはその昔に音響再生装置も普及していないころに高価格なロールピアノが主にアメリカで販売され同等な機能を持っていたのだがそれをコンピュータ技術により高性能な商品を安価に実現したものであった。半導体技術の進歩は自動ピアノに必要な装置を小型化してピアノ内部に組み込んでしまうことを可能にした。

開発初期に既に存在した予言が二つあった。そのひとつは、自動ピアノがさらに発展すれば「ピアノは機械が弾くものです。昔は人間も手で弾いていたそうだが・・・」と云われる時代が来るのではないか、というものである。つまり機械の方が演奏上手なので一流ピアニストが弾く音楽よりも高品質な音楽を自動ピアノが出力するようになるであろうとの予言である。また、もうひとつはピアノ曲についての予言であって「昔は人間が手で弾いていたので二つの手と各5本の指が動ける範囲の曲しか作曲されていなかったが、機械ならどんな音列の曲でも弾けるし、同時発音を増やした曲が弾ける。たとえば10本の手で弾いているかのようにも音が出せる。もちろん一本指で単音を弱く奏すことも出来る。ダイナミックレンジが広がって厚みのある豊かな音楽になるから、人間を感動させる度合いも大きい。このような新種のピアノ曲が自動ピアノ用に新しくどんどん作られていくであろう」という説である。

しかしながら今のところ、自動ピアノは普及時代に入って20年余が過ぎていろいろな場面で応用され普及は進んでいることは事実だが<ピアノ音楽の世界を革新させるこの二つの予言>はまだ当たったとはとても云えない。音楽の世界はそんなに簡単には変化しないのだ。人々は保守的で音楽の世界を革新したいという要求は少ない。特に指導的立場にある音楽専門家(既に有名な演奏家、教育家、評論家)は自らが長年かけて習熟し権威を得た世界が変わってもらっては困るという潜在的な願望もあろう。また自動ピアノの品質が人間ピアニストに対抗できる精細な品質に至るまで高度化することは技術的にまだ達成されていないことが理由であろう。

しかし将来の可能性としてはどうだろうか。この予言は当たる、あるいは部分的に当たる可能性はあるのではないだろうか。

まずは技術的な課題である自動ピアノの品質向上を実現し、本当に人間が弾くよりも良い音楽、人をより大きく感動させる音楽を出力できるようにしてもらいたいものだ。人間の身体能力には限界があるのだから、どんな一流ピアニストでも達成できていない弾き方がある筈だ。自動ピアノの能力に合わせた新曲では比較が出来ないので、まずはショパンの曲でもベートーベンの曲でも良いから既存するピアノ曲を人間、機械と弾き較べを行い、その出来具合、すなわち音楽受容者の感動の大きさを比較確認したいものだ。

第2の予言については、優秀で進取の気鋭ある作曲家がこの可能性に気づいているかどうかだが、どうもまだ気づいていないように思われる。彼らの興味をひきつけることが出来れば現在開発済みの自動ピアノでも十分に新規に創造された曲に対応できるので少し残念な現状とも言える。さらに将来上記の自動ピアノの技術的向上による品質改良が実現されれば、新しいタイプの、より大きな感動を与えるピアノ曲がこの世に出てくる頻度が多くなるものと思われる。

いずれにしても自動ピアノの品質改良はまだ余地があり、楽器技術者への期待は大きいと云える。

以上

ホームページはこちらです http://homepage3.nifty.com/mikms/

2007年8月17日 (金)

国際音楽音響学会 ISMA2004

(2004.4.11)   永井 洋平

  - 次回は2007年 9月 -  (バルセロナ)

 先週(3月31日―4月3日)奈良で行われた国際音楽音響学会ISMA2004の速報である。この学会は楽器や音楽を研究している科学者達が世界から集まり、お互いに最近の研究状況を報告し、議論し合うもので、3年に1度のペースで開かれている。日本での開催は12年前の東京以来なので間隔としては異例の短さで日本が再び会場となった。
今回奈良にやって来た参加者は120人で、約40%が日本人である。会場は奈良公園内のビッグルーフと呼ばれる奈良県新公会堂でとても適切な選択であった。オープニングセレモニーで会場内の能楽堂で能の代表作「羽衣」を見せたり、夕べの会では薬師寺の声明を暗いお堂で2時間以上静粛な雰囲気で鑑賞する機会があり外国からの参加者に大いに日本伝統の文化を味わってもらった。開催のために長期間に亘り大変なご苦労された日本の方々に感謝したい。

 この学会は、常連のメンバが多いので平均年齢がやや高く最新のIT技術を駆使した華やかな発表が少ないというという欠点がある一方、伝統的な楽器の価値を多くの視点から解明して行くテーマなどが豊富で腰が落ち着いている感じを与えてくれる。

 研究発表は50件ほどあり、そのうちの興味深いものについては後日またこの欄で具体的に触れてみようと思う。今日はブラジル大学のLeonardo Fuks氏が担当した簡易型楽器作りのワークショップについての印象を述べてみよう。
 水道のホースなどに木管楽器のマウスピースをつけて鳴らすというありきたりのものなら面白いこともないが、彼はプラスチックフィルムや紙を巻いて作った全く音孔がない管で音程をほぼ半音階スケールで変えて演奏するからびっくりした。音程を変える方法は管を手で引っ張って管長を変えることの他に、管をつぶして変形させたり、管内に指を入れて内部形状の変化で音を出す。もちろんオーバーブローも使う。管のどこをどのくらい変形させればピッチがどのくらい変わるかをいろいろな形状の管について詳しく検討してあることはたいしたもので、その結果単純な楽器で音楽が奏せるので参加者から大喝采をあびた。また携帯電話が発生する着メロや鍵盤ハモニカ型の簡易楽器の芸術性を高めるために音色の幅を広げる工夫を見せた。それは小型スピーカの近傍で口内形状を刻々と変えることで共鳴特性に時間変化を与えると単調な音質のメロディーがぐっと芸術的な音楽に変質してしまうものであった。つまり、ありふれた素材に科学的な見識に基づく着眼点によって付加価値を与えていた。また基本的底流になっている彼のユーモアと精力的なサービス精神には別の意味で感心した。楽器の研究はこのように楽しいものでありたいと思う。

次回のこの学会はスペイン・バルセロナで2007年9月である。

以上

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